【完全ドラマー目線!】X JAPANオススメ楽曲5選とYOSHIKIさんのドラミング解説!
X JAPAN(X)は1982年に結成され1989年にメジャーデビューを果たし、ヴィジュアル系の先駆者として日本の音楽シーンに衝撃を与えたバンドです。
1997年に惜しまれつつ解散したものの、2007年にふたたび音楽シーンに返り咲き夢だった海外進出を果たすなど、現在も多大なる影響を与え続けているもはや説明不要のモンスターバンド。その中核を担うリーダー「YOSHIKI」。最近はソロ活動がメインなので、ドラムのプレイを見る機会があまりありませんが、そんな時は動画アプリでデビューから今までの楽曲を楽しむのもアリだと思います。
X JAPANの楽曲といえば、LIVEで観客が熱狂するアップテンポの激しいナンバーだけでなく、聴く者の涙を誘う美しいメロディーが特徴のバラードなど、多種多様です。
今回はドラマーが聴いて、そしてプレイしてテンションが上がること間違いなしの、オススメ楽曲5選をドラマー目線での聴きどころを解説しつつ、数ある中から厳選した音源も合わせて紹介いたします!
※あくまで筆者目線でのオススメ楽曲5選ですので参考程度に読んでいただけると幸いです。
目次
第5位 「STANDING SEX」
1991年10月25日にリリースした7thシングル。シングル曲としては初めての全編英語詞となっています。終始スラッシュビートで走り抜ける疾走感のある曲調で、当時のX JAPANでは意外にシンプルな構成です。ライブではかなり盛り上がるキラーチューンとなっています。
「STANDING SEX」の聴きどころ|イントロ開始の12小節からの縦横無尽のスラッシュビート
ド頭から4小節ごとに「はじめちゃうよ〜」「ついてこいよ〜」「あばれちまえよ!」と言うような観客のボルテージを徐々に上げていく流れから、YOSHIKIさんのスネアの連打で一気に加速!はじまったら止まらない欲望をバンドサウンドにしっかり落とし込んでいます。
「STANDING SEX」の厳選音源
1994年12月30日「青い夜」
(2007年7月25日発売「X -JAPAN 青い夜 完全版【DVD】」に収録)
「STANDING SEX」を堪能したいのであれば、オリジナル音源ではなく動画がオススメです。1994年12月30日に行われた「青い夜」ではヴォーカルTOSHIさんの「そろそろオメェらの、暴れん坊のところを見してくれよー」のMCから楽曲はすでに始まっています(厳密に言うとHIDEさんPATAさんのギター遊びからです)。
第4位 「SCARS」
1996年11月18日にリリースした16thシングル。X JAPANサウンドのもう一人の要HIDEさんが作詞作曲をした、ポップ感と狂気が織り交ぜられた一曲。HIDEさんの音楽観がX JAPANの音楽性を広げているのがよくわかります。
「SCARS」の聴きどころ|イントロ
YOSHIKIさんのハイハットのカウントからジャングルビートで始まり、8ビートを基調にしたグルーヴィーなドラミングに、ツーバスの連打が随所に入るパターンが、楽曲にメリハリをつけていてより攻撃的に仕上がっています。
「SCARS」の厳選音源
公式音源なし
オリジナル音源とライブ音源の大きな違いが、HIDEさんのパフォーマンス!ヒップホップ調のビートに乗せた、HIDEさんのサイケデリックSCARS(そう名付けました)は、本編が始まるまでの流れとしては最高の演出!TOSHIさんのコーラスと絡んで怪しくも美しい世界観は必見です。ただ、公式サイトをどんなに探してもサイケデリックな部分はカットされていました。残念です。。。
第3位 「Sadistic Desire」
1988年4月14日にX JAPAN(当時はX)自身のレーベルからリリースされたインディーズアルバム「Vanishing Vision」の収録曲。1991年9月11日にリリースした6thシングル「Silent Jealousy」のカップリング曲としてリメイク版も収録されています。
作詞がYOSHIKIさん、作曲がHIDEさんという組み合わせで、YOSHIKIさんも作曲に関わっていそうな曲調の中でも、アルバムのヴァリエーションを広げつつも、バンド初期の刺激的なサウンドを崩さない、非常にバランスのいい楽曲です。
「Sadistic Desire」の聴きどころ|ド頭のドラムフィルイン
ドラムイントロドン♪みたいなクイズ番組があれば、必ず出ると言っていいほど有名なフレーズで、某音楽雑誌でも頻繁に取り上げられていました。冒頭のフレーズは意外にシンプルな手足のコンビネーションで作られているので、気分に浸りたい方は最初の2小節だけでもコピーする価値があります。
第2位 「Rusty Nail」
1994年7月10日にリリースした10thシングル。YOSHIKIさんの作曲パターンの1つ「8ビート」を基本としたミドルテンポ調のナンバー。オーケストラとのコンビネーション。美しく切ない歌詞。数え上げればまだまだ魅力が出てきますが、ドラマー目線で言うと8ビートをカッコよく演奏したいのならばこの曲です。
「Rusty Nail」の聴きどころ|エンディング前のブレイクからの6小節後の再演奏
「あなたを〜忘れられなくて〜」という切ない思いを強調する完璧なブレイク。そこからまたはじまる淡々とした8ビートが「それでも私は生きているから歩き続けます」と言うメッセージに聞こえるのは私だけではないはずです(マジで)。
「Rusty Nail」の厳選音源
この名曲の切れ味を味わいたいのであれば「THE LAST LIVE」一択です。解散と言う(その後再結成した時は嬉しかったです)大きな節目のライブだったこともあり、メンバー全員の意気込みが違います。私はイントロで鳥肌がたち、サビで泣きそうになります。白状します。泣きました。
番外編 「ドラムソロ」
YOSHIKIさんといえばライブ中のソロコーナーで披露する、圧巻のドラムソロも要チェックです。基本的にはYOSHIKIさんの思いのままにドラムを叩き続けて、終盤になるとドラムセットを破壊するという迫力の演出で観客を魅了しています。
「ドラムソロ」の厳選音源
1989年3月16日 Blue Blood Tour 爆発寸前GIG(2018年10月24日 Blue-ray通常盤に収録)
こちらも前述した「爆発寸前GIG」からの映像です。この時期のYOSHIKIさんが個人的に一番好きなのもあり、オススメが集中していることはご容赦ください。トレードマークであるTAMAの特注クリスタルのドラムセットを、長い金髪をなびかせて縦横無尽に叩く姿。
鋭い眼光で観客に何かを訴えかけつつ(そのように感じました)唯一無二を誇示し続けるかのような、止まらないツーバスの連打。ひとしきり暴れたら嵐の前の静けさを語る重厚な8ビート(このビート、Rusty Nailにも使われています)。
極め付けの限界連打。観客もYOSHIKIさんの演奏が凄すぎて引いているのが印象的です。
ちなみに私も高校時代の文化祭で、このドラムソロを自分なりにコピーして演奏した結果、たくさんの喝采を浴びたことを思い出します。テクニックやカリスマ性は真似できませんでしたが、それでもこのドラムソロのインパクトの強さは証明できました。
以前(1990年代後半)YOSHIKIさんが「ドラムを改めて練習している」といったコメントが掲載された記事があった頃から、ドラムソロの始まり方に変化がありました。細かい話なのですが、冒頭のシンバルワークではジャズで多用されるスティックワークである「ダブルストローク」を使っています。
X JAPANの楽曲にはダブルストロークを使ったドラムプレイは皆無なので、YOSHIKIさん自身もドラムが好きでもっとく上手くなりたいという気持ちを感じることができた瞬間でした。
第1位 「BLUE BLOOD」
X JAPANを語る上で絶対に欠かせない一曲。1989年4月21日にリリースされた、通算2作目でありメジャーデビューアルバムのタイトル曲です。開始からYOSHIKIさんのツーバスの高速連打に乗せた高速ギターリフとの組み合わせで、初期のX JAPANの特徴である攻撃的な楽曲の世界観に一気に引き込まれます。
「BLUE BLOOD」の聴きどころ|1回目のサビ終了後の間奏9〜16小節
これはもう全編聴きどころです。しかし、その中でもあえて選ぶのであれば…。
まず間奏1〜8小節までのスラッシュビートでのバスドラムの足数を聴いてください。そこから9小節目に入ると足数が増えて、より疾走感のあるビートに変化しています。そして締めは15〜16小節にかけてのベースとのコンビネーション、これもX JAPAN王道のSTOP&GO(勝手に名付けました)です。バンドで演奏する時にこれが決まると気持ちいいんです。
「BLUE BLOOD」の厳選音源
これは必ずアルバムを聴いてください。当時のメンバーの勢いが全て詰まっていてテンションが爆上がりします。もう一度言います。必ずアルバムで原曲を聴いてください。もう一度・・・すみません、取り乱しました。この曲が本当に好きなんです。
この曲のオリジナル音源を動画検索してみたら完コピプレイの動画がありました。ぜひコピーにチャレンジしてみてください。再生速度を一番遅くして、繰り返し見て、プレイの分解をすることから始めましょう。
1989年3月16日 Blue Blood Tour 爆発寸前GIG(2018年10月24日 Blue-ray通常盤に収録)
当時の勢いを映像で観たいのであれば、もはやお馴染みの「爆発寸前GIG」しかありません。映像は途中で切れてしまいますが、YOSHIKIさんの見た目のインパクト、力強いドラミングは必見です。
音響的にも他の動画に比べてバスドラのアタック感がハンパないです。個人的にはYOSHIKIさんの要所要所での踏み込みの強さがわかって、リアルなライブ感が伝わって来るのが嬉しいです。スネアの抜けもすこぶる良いので聴いていてテンション上がります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?2007年再結成以降のX JAPANの活動は、メディアでも多く取り上げられているので、周知のことと思います。私がYOSHIKIさんに憧れてドラムを始めたのは1995年で、翌年に「DAHLIA」が発売し、その翌年は「解散」というX JAPAN史上最も激動の時代でした。
そんな時代から20年以上が経過した今でも、X JAPANの楽曲を聴いていると、自然とリズムを刻みながらメロディーを口ずさんでしまいます。
そして改めて感じるのが「唯一無二の存在」であることです。2023年現在でもX JAPANのスケールを超えるバンドに出会ったことはありません。こんなにも人々に熱狂と感動を与えたバンドは他にはいません。
それはリーダーのYOSHIKIさんのX JAPANに対する思いが深く、そして強い表れではないでしょうか?動画をみるとわかる通り、全身全霊で命をかけたようなドラミングには時間を忘れて見入ってしまいます。
今回紹介した動画でドラマーのテクニック向上の参考だけでなく、情熱を持って取り組むことの美しさを感じていただければ幸いです。
We Are X!!
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