【独学でできる】楽器上達のコツと便利な音楽アプリ紹介

楽器上達のコツと便利な音楽アプリ紹介

「楽器の正しい練習方法がわからない」「練習しているのになかなか上達しない」

楽器練習において、こんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

上達のためには、プロの適切な演奏指導を受けるに越したことはありませんが、仕事や家事・育児などで忙しく、まとまった時間が確保できないという方も多いのではないでしょうか。

私は音楽大学を卒業し、音楽教室の講師としてさまざまな生徒さんたちの指導にあたってきました。

今回はそんな自身の経験に基づいて、独学でもできる効率的な練習方法や、演奏時に役立つ便利な音楽アプリなどをご紹介したいと思います。

楽器練習を挫折しないための心得

楽器を始めたばかりの方の中には、思い描いていた理想と上手く演奏できない現実とのギャップに落胆し、挫折してしまう方が多くいらっしゃいます。

せっかく手に入れた楽器を眠らせて、宝の持ち腐れとなってしまうのは避けたいところですよね。

そのため、練習方法をお伝えする前にいくつか心がけていただきたいことがあります。

目標を立てる

上達のためには継続的に練習を行う必要がありますが、そこで重要になるのが一定のモチベーションを保つこと。

目標を立てることはモチベーションの維持に効果的なだけでなく、自分の現状を把握し、やるべきことを明確化させる役割も果たします。

その際に注意してほしいことは、漠然とした目標や無謀な目標ではなく、具体的かつ現実的な目標設定を行うことです。

例えば「上手に演奏できるようになる」という目標はざっくりとしていて、その日の練習課題が見えづらいですよね。

では、「○月○日までに〜小節目まで通して演奏できるようになる」というのはどうでしょうか。スケジュールや練習箇所が具体化され、やるべきことが明確になったと思います。

目標を細分化することで達成回数も増えるため、やる気も保ちやすくなりますよ。

すぐに結果を求めない

楽器を始める人の多くが「あのアーティストのようにかっこよく演奏したい」「大好きな曲を演奏できるようになりたい」といった憧れを持って練習をスタートしますが、そこに辿り着くためには、地道な基礎練習や反復練習を根気強く行う必要があります。

今回お伝えするのは、効率的な練習方法とは言っても、ちょっと練習しただけで上手くなる魔法のような方法ではなく、あくまでも不要な遠回りをしないための方法です。

楽器演奏を物にするには時間を要しますが、それは全ての演奏家が通ってきた道。

すぐに結果が出なくても「自分には向いていないんだ」なんて卑屈にならずに、肩の力を抜いて取り組みましょう。意味のある練習をすれば、必ず結果はついてきます。

楽しむ気持ちを忘れない

練習する上で一番起こってほしくないこと、それは「演奏が苦痛になる」ということです。

ストイックになりすぎてかえってそれがプレッシャーとなり、好きで始めたはずの楽器演奏が億劫になってしまうというケースは、残念ながらよく見られます。

しかし何より大切なのは、たとえ少しずつでも継続して取り組むこと。

自分を追い込む練習が悪いとは限りませんが、楽しめる範囲で、自分のキャパシティに合った練習メニューに取り組む方が、長い目で見ると上達に繋がりやすいです。

どうしても演奏する気持ちになれない時や練習が辛い時は、無理せずに音楽を聴いたり楽譜を読んだりする時間に充てるのも良いでしょう。

その練習は合ってる?上達する効率的な練習方法

さて、楽器練習を挫折しないための心得を確認したところで、いよいよ実践に移っていきましょう。

たくさん練習しているのに上達しないという方は、もしかすると練習方法に何か問題があるかもしれません。

中には「習わないと上達しないのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、質の高い練習を行うことで、独学でも演奏力を磨いていくことができます。

今回ご紹介する練習方法はどんな楽器にも当てはめることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

正しいフォームで演奏する

練習しているのに音が安定しない、一向に上手くならないという方は、演奏フォームが間違っているかもしれません。

正しくないフォームで演奏していると、音に支障をきたすだけでなく、手や身体を痛めてしまう可能性もあります。

癖がついてしまうと直すのが難しくなるため、常にそれぞれの楽器に応じた適切なフォームで演奏することを心がけましょう。

基礎練習を取り入れる

基礎練習は自分の演奏力を底上げする、大切な土台づくりです。

土台がしっかりと構築できていないと、当然その上に乗せる音楽も不安定になってしまいますよね。

基礎練習に退屈なイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、基礎が充実することで、曲の習熟度やクオリティが大幅に変わり、上達も早くなります。

ある程度スキルが身についてきた後も、ウォーミングアップとしてスケール練習や発音・発声練習などの基礎練習を取り入れるようにしましょう。

部分練習をする

初心者の方にありがちなのが、通し練習ばかりしていていつも同じところでつまずいてしまうこと。

これは練習しているようで、実は時間だけがかかってしまうおすすめできない方法です。

例えば1曲5分の曲で弾けない箇所が5秒だとすれば、通し練習1回よりも弾けない箇所を60回練習する方が、効率良く苦手を克服することができますよね。

また、部分練習は苦手を克服したい時だけでなく、譜読み(初めて演奏する曲の楽譜を読んで、ひと通り演奏できるようにすること)にも効果的です。

最初の部分はスラスラと演奏できるけれど、毎回楽譜を読み進めるにつれて集中が切れてしまって、最後の方は全然覚えられないという方はいませんか。

そんな方は、全体の構成を見て切りの良いところで曲を分割してみてください。

今日はAの部分、明日はBの部分、といったように部分ごとに練習していくと、限られた時間の中でも満遍なく譜読みを行うことができます。

テンポを落として練習する

「速く弾くのは、ゆっくり弾くよりもずっと楽です」。

これは、かの有名な音楽家・モーツァルトの言葉。

速いテンポで誤魔化しながら演奏するのは簡単ですが、それだと間違った演奏が身体に染み付いてしまいます。

曲に慣れていない最初はもちろん、インテンポで演奏できるようになった後も、時々メトロノームを使いテンポを落として練習するようにしましょう。

曖昧なリズムで演奏している箇所や表現が雑になっている箇所、音の読み間違いなどに気づくことができるはずです。

お手本となる演奏を鑑賞・模倣する

独学の場合は、どうしても他者の演奏を聴く機会が少なくなってしまいがち。

しかし、演奏表現というアウトプットにおいて、良い演奏を聴くというインプットは必要不可欠です。

プロの演奏動画を観たり、時には演奏会やライブハウスなどに足を運んでみたりするのも、新たな刺激と発見になるでしょう。

神経を研ぎ澄まして鑑賞することで、聴覚的なセンスを養うこともできます。

そしてお手本となる演奏を見つけたら、それを真似して演奏してみてください。

これは美術における模写のようなもの。模写は作品の意図を汲み取ったり、作者の技術や表現力を得たりするための訓練として行われますよね。

音楽においても同様に、優れた奏者の演奏を模倣することで、表現方法の引き出しを増やすことができます。

オリジナリティや自分なりの表現は、実はこの模倣の積み重ねによって培われていくのです。

自分の演奏を録音する

通し演奏中、リアルタイムで自分の音を注意深く確認するのはなかなか難しいですよね。

演奏を録音し聴者の立場になって聴くことは、演奏課題を見つける最も効率的な方法です。

上手く演奏できているつもりでも、客観的に聴いてみると意外とできていないこともあるので、定期的に録音してフィードバックを行うようにしましょう。

さらに、録音すると程よい緊張感が生まれ集中力が高まるだけでなく、成長過程も記録できるため、モチベーションアップにも繋がるというメリットもあります。

練習や演奏に役立つ便利な音楽アプリ

PlayScore2

PlayScore 2

手持ちの楽譜を撮影するだけで、自動演奏してくれるアプリ。

カウントインやテンポ変更、リピート再生などさまざまな機能を搭載しており、楽譜を見ただけでは曲のイメージが湧かない時や、苦手な箇所を反復練習したい時などに役立ちます。

スコアにも対応しており、パートごとの音量調節や音色変更も可能なため、自分のパートをミュートして伴奏に合わせて演奏するといった使い方もできます。

上記の機能は無料で利用することができますが、有料プランは、pdf楽譜のインポートや楽譜のMIDIデータ化など、さらに便利な機能が満載。

初心者の方だけでなく、効率的に練習したい方や楽曲制作をされる方にもおすすめです。

リズムラーニング

リズムラーニング

表示されるリズム譜を見ながら拍に合わせて画面をタップすることで、ゲーム感覚でリズムを学ぶことができるアプリ。

レベル1から18までの難易度に分かれており、初歩的なリズムから付点や三連符などの躓きやすいリズムまで、幅広く網羅しています。

さらにテンポ・拍子・小節数の変更機能、リズム譜のカスタマイズ機能も備えており、自分のレベルや習熟度に合わせて、常に新しい課題に挑戦することが可能。

隙間時間に気軽に取り組むことができるため、なかなかリズムを学習する時間が確保できない方や、楽しみながらリズム感を養いたい方に特におすすめです。

ずっしーの音感トレーニング

ずっしーの音感トレーニング -iOS

ずっしーの音感トレーニング-Android

YouTube「ずっしーの音楽教室」で音楽学習者に役立つ情報を発信している、ずっしーさん監修の音感トレーニングアプリ。

出題される音を聞き分け、画面上の鍵盤を使い同じ音を鳴らしていくことで、音感を鍛えていくという仕組みです。

音感育成時にある特定の音色で訓練したことにより、その他の音色で音感を発揮できなくなるという音感保持者にありがちな事態を防ぐため、さまざまな音色が用意されており、汎用的な音感を養うことができます。

間違えた問題を後からじっくり復習できるため、苦手を徹底的に克服できるだけでなく、達成状況に応じてアプリ内で使えるポイントが貰えたり、時間制限があったりとゲーム性も高く、誰でも継続しやすい内容となっています。

Chord Tracker

Chord Tracker

端末に保存されている楽曲のコード進行を音声データから解析してくれる、YAMAHAの無料アプリ。

コードネームだけでなく、五線譜や鍵盤、ギターの指板上で構成音を確認できたり、シンプルなコードに簡略化できたりと、コードのことはよくわからないという初心者の方でも簡単に演奏することができます。

部分的なリピート再生、テンポやキーの変更、さらにはメロディーの消音までできてしまうため、耳コピやオリジナル曲のコード付けなどにも重宝するアプリです。

SYNCROOM

SYNCROOM

こちらもYAMAHAが提供する、オンラインでリアルタイムセッションが可能な無料アプリ。

YAMAHAが独自に開発した遅延の少ない遠隔合奏技術を採用しているため、なかなか予定が合わないバンドメンバーや遠くに住む音楽仲間とも、手軽に快適な合奏を行うことができます。

また、初めましての人とも交流が可能なため、一緒に演奏できる仲間がいないという人でも、セッションを通して新しい音楽仲間に出会えたり、他者の演奏から刺激を受けることができたりと、新鮮な音楽体験を味わうことができます。

まとめ

今回は、効率的な楽器上達のコツや、楽器演奏でおすすめのアプリなどをご紹介いたしました。いかがだったでしょうか?

楽器練習を継続的に行うことは容易いことではありませんが、無理なく取り組める練習メニューを設定したり、演奏意欲を高めてくれるアプリを活用したりしながら、ぜひ充実した音楽ライフを送ってくださいね。

こちらの記事が、少しでも日々の練習の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
Iori

音楽大学作曲コースを卒業。
在学中より音楽教室にて講師として勤務し、ピアノ・リトミック指導に加え、スペシャルニーズの生徒さんのサポート、教材開発などの経験を積む。
現在は作曲・編曲活動の傍ら、これまでの経験を生かし主に音楽や教育を題材にwebライターとしても活動中。

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