【銀河系唯我独尊バンド】THE BACKHORNのおすすめ楽曲7選

1998年にボーカル:山田将司、ギター:菅波栄純、ベース:平林直己、ドラム:松田晋二の4名で結成された、日本のオルタナティブロックバンド「THE BACK HORN」。
※現在はベース:平林直己→岡峰光舟にメンバーチェンジしています。

「KYO-MEY」という言葉をテーマにして、「聞く人の心をふるわせる音楽を届けていく」という意志を掲げて活動しており、人間の本能を言葉と音で激情的に表現するバンドとして、唯一無二の存在感でファンを魅了し続けています。

2001年4月25日のメジャーデビューシングル「サニー」をリリース以降、コンスタントに音源を発表しており、2022年4月13日の「アントロギア」で通算13作目となるオリジナルアルバムを出しています。結成25周年を迎えてもなお、勢力的活動を続ける日本のオルタナ系を代表するバンドです。

超メジャーアーティストの宇多田ヒカル・椎名林檎などもファンとして知られています。

今回はそんな、抑えきれない感情をエモーショナルなサウンドにしてリスナーに伝え続けている「THE BACK HORN」の「心ふるわせる7曲」を独断と偏見で厳選して、聴きどころ解説と共に紹介させていただきます。

それでは!まいりましょう!

第7位「コワレモノ」(10thアルバム「暁のファンファーレ」収録 22thシングル)

「人気もんも嫌われもんさ〜」とボーカル山田のラップ調の歌い回しと、ゆったりな8ビートで始まる、気だるさ感から徐々にテンションが上がり、終盤は大きく盛り上がる楽曲。

作詞はTHE BACK HORNの楽曲の作詞・作曲の大部分を担当しているギター菅波で「人は結局手を取り合っていかないと生きていけない」(私の解釈です。)と言うメッセージが込められています。

「コワレモノ」の聴きどころ

この楽曲は静と動のメリハリが、Aメロからサビの移り変わり部分で効果的に使われています。THE BACK HORNの大きな特徴である「激情サウンド」を堪能出来る瞬間です。こういう曲展開が得意なバンドなんです。歌詞に「スナック」が入ってる曲は初めてですね(笑)。

そして静と動をより際立たせているのがベース岡峰。「弾いてるの?」と思わず突っ込みたくなるイントロと打って変わってのサビの縦横無尽なベースライン。バンドサウンドの要はベースだと思う私としては、思わずニヤけてしまうプレイを聴かせてくれます。ベーシストは必聴です。

第6位「Joker(ジョーカー)」(3thアルバム「イキルサイノウ」収録)

「子供の頃に描いた夢、大学生と書きました。」と言う少年時代の回想を思わせる歌詞から始まる、根の深い心の傷を印象的な言葉と、激しいギターサウンドで表現した問題作。終始繰り返される歪んだギターリフが耳から離れません。

テレビで流れる「愛」とか「正義」のような王道テーマが主題ではない楽曲が多いバンドですが、人間の本当に深いところをえぐるような歌詞とサウンドは、聴く人へ大きなインパクトを与えます。

私がTHE BACK HORNと出会ったのは10代後半なのですが、私を初め若年層の方々には「ハマってしまったら頭から離れない」という中毒症状を与えてしまうようです。彼らの表現力の賜物であることは間違いありませんが、本曲のスケールは群を抜いていると感じます。

「Joker(ジョーカー)」の聴きどころ

この曲でもやはり静と動のメリハリです。楽曲終盤の間奏で激しかった曲調が一転して、アコースティックなギターアルペジオに乗せた物憂げなコーラスの調べ、そこから呟くような歌い回し。切なさをひとしきり表現しきった後に、また爆発するかのように激しいギターサウンドが再び始まります。この表現力の高さはオルタナティブ系ならではです。

第5位「幾千光年の孤独」(1st「人間プログラム」収録)

「天国に空席はない」から始まる「孤独」をテーマにした激しいナンバー。しかし作成秘話によると、「一人で海岸のビーチに行った時に、賑わう家族連れやカップルに嫉妬した気持ちを楽曲にした」と作詞作曲を担当した菅波は言っています。凄まじいエネルギー・・・そして変換力。

イントロのギターリフは、アメリカのオルタナティヴロックバンド「Nirvana」の有名曲「Smells Like Teen Spirit」のイントロのリフを崩して組み立て直したそうで、確かによく聞いてみると雰囲気を感じますね。菅波の作曲のセンスの良さが伺われます。

「幾千光年の孤独」の聴きどころ

「幾千光年の〜」とボーカル山田の、激情を全身全霊で吐き出すかのような歌い出しから始まるサビです。この高音と声量・迫力を表現できるのはもはや山田のみで、その歌声は本当に銀河まで届くのではないか?という程です。ボーカルの表現力を学びたいのであれば参考にしていただきたいです。

バンドでぜひ参考にしていただきたいのは「間奏」です。13/8拍子という変拍子で混沌をイメージしており、これが基本的には4/4拍子で展開している曲調の中でいきなり入ってくるので、動揺と衝撃がセットで訪れる流れが出来ています。「転調」を効果的に使用した好事例です。

第4位「ぬくもり歌」(2ndアルバム「心臓オーケストラ」収録)

どこか夏の夕暮れを感じさせる楽曲で、アルバム「心臓オーケストラ」の締めくくりの一曲。山田の特徴の1つである「包容力のある声」を存分に堪能できます。THE BACK HORNには激しい楽曲だけでなく、本曲のように「聴かせる曲」もありますが、それは山田の声があってこそ成り立っているのだと思わせてくれます。

「ダンボールの子猫」から始まる歌詞は、全編抽象的な表現であるがTHE BACK HORN特有の「切なさ」を連想させる内容です。「同じ孤独を感じて生きているもの同士、たまには一緒に休もう。そしてまた前に進もう。」といったメッセージが含まれていそうですね(勝手なイメージです。)

「ぬくもり歌」の聴きどころ

間奏後のサビに当たるメロディー。ここまで出るの?!というくらい徐々に上がる音程を気持ちよく聴かせてくれます。これは歌い切ると気持ちいいですね。ボーカルスキル向上にもってこいの曲ではないでしょうか。

余談ですが、ギター菅波はボーカル山田の歌い方について「赤ちゃんみたい」と比喩しています。これはそれだけ純粋に歌と向き合っているひたむきさを表しているのでしょう。歌はテクニックではなく、感情だ。それを山田は体現していると私も感じます。

第3位「生まれゆく光」(7thアルバム「パルス」収録)

「何を話そう 未だ見ぬ君へ」から始まる、生きることをテーマにしたナンバー。これまで紹介した楽曲に比べて洗練された美しい歌詞。そして、それにTHE BACK HORN独特の表現力を加えることで、唯一無二のサウンドに仕上がっています。

宇宙をイメージさせるギターのアルベジオから始まるこの楽曲は、バンドサウンドとしてではなく歌詞とメロディーを際立たせることを意識した楽曲展開となっています。アルバムがリリースされたのが2008年と比較的最近のため、山田の表現力もデビュー当初と比べてさらに磨きがかかっており、こういった聴かせる歌も新たな一面として魅せることができています。

「生まれゆく光」の聴きどころ

聴きどころというより、見どころというべきですか。歌詞が本当にいいんです。小説にしてもいいような叙情的な歌詞なので、見るだけでその世界観をイメージすることができます。

特に「優しさはきっと弱さじゃない 暗闇を照らす 照らし出す光」の一文はその言葉自体に優しさを感じてしまいます。

第2位「風船」(Indies 1stシングル)

「この心はなぜ変わってゆくんだろう」という人間の本質的な部分に問いかけた切ない歌詞から始まるナンバー。その他にも「さみしさがあるから汚れていくんだ」「神様は救わない壊れたおもちゃなど」胸を刺す言葉が散りばめられており、決して笑顔では聞けません(褒め言葉です)。

タイトル通り、ゆっくりと空へ飛んで消えていく風船をイメージさせるイントロから始まり、独創的なリズム隊の掛け合い。メジャーデビュー前の楽曲ではあるが完成度が高く、発売から23年経った今でも、未だに私の心の中では色褪せていないことが、この順位でわかると思います。そうです。私の心は変わっていません。そんな気持ちの方は多くいるのではないでしょうか。

※この楽曲は現メンバーでベース担当の岡峰光舟ではなく前メンバーの平林直己のプレイが収録されています。

「風船」の聴きどころ

Bメロです。この曲はBメロがなければ成立しないと言っても過言ではないくらい、Aメロとサビを効果的に繋ぎ合わせています。特に間奏後が秀逸で、冒頭に多少のアレンジでタメを作って、最後のサビの激情感をより際立たせています。センスありすぎです。

番外編「あなたが待ってる」(25thシングル)

「あなたが待ってると思うだけで」という歌詞から始まる、今までのTHE BACK HORNとは一線を画す世界観を表現してる楽曲。宇多田ヒカルとの共同プロデュースで作り上げた本曲はTHE BACK HORNの新しいドアを開けた素晴らしいラブソングです。

全編を通してミドルテンポの8ビートの曲調で、歌詞も攻撃的な内容は一切なく、大切なひとを一途に思う気持ちを前面に出した、心が温まる内容となっています。作詞は菅波と宇多田ヒカルの合作。

「あなたが待ってる」の聴きどころ

ドラムの音色がポップでありながらも、低音をしっかりと残した生音に近いチューニング。ベースも何気に動きまくるフレーズ展開なのだが、山田の優しい声を遮ることなくドラマチックに絡んで行くのがこの楽曲の心地よさを与えています。超絶テクを涼しげに弾いている岡峰がかっこいいですね。

第1位「夢の花」(4thアルバム「ヘッドフォンチルドレン」収録 8thシングル)

「いつの日からだろか こんな風に上手に 人混みを歩く 靴を履いたのは」という、いつの間にか社会に染まってしまったことへの気づきから、改めて自己を見つめ直す。そんな心情を描いた珠玉のナンバー。

作詞はドラマーであり、リーダーの松田晋二。彼の世界観がしっかり詰め込まれています。

浮遊感漂うギターのイントロから始まり、グルーブ感満載のリズム隊が合わさると、思わず踊り出してしまいそうな曲展開。そこにすかさずボーカル山田が歌い出し、その抑えきれない感情を包み込んでくれる。そんなそれぞれの個性をかき消すことなく見事なバランスで仕上がったこの曲は、私の中にもずっと夢の花を咲かせてくれています。

この曲が本当に好きでひたすらカラオケで歌って、ひたすらドラムをコピーして、いつかTHE BACK HORNになる時を待ちつつ準備をしていました。

当時は「うたうドラム」という考え方で「ドラムフレーズを声に出してうたう」という練習をしていた私ですが、コピーをしている当初は、「うたい」すぎて寝言でも言っていたと妻からの証言があるほどです。今でもこの曲を聴くと「うたえる」し叩けます。思い入れ深しです。

「夢の花」の聴きどころ

ドラムです。ドラム松田はその独特のノリとフレーズでTHE BACK HORNの楽曲の土台を作り上げていますが、本曲でもそれを惜しみなく盛り込んでいます。

非常にグルーブ感溢れるシャッフルビート、もはやゴーストノートとは言えないスネアの裏拍打ち、感情をダイレクトに表現している強弱の抑揚、そして誰も真似できない「間」。その全てを堪能できます。

まとめ

いかがだったでしょうか?今年で結成25周年(2023年現在)になるTHE BACK HORN。

今回はその長い歴史で作り上げた、数ある楽曲の中から7曲を厳選してご紹介いたしました。

ライブでより真価を発揮するそのバンドサウンドをぜひ参考にしていただきたいと思います。

それでは!

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