観たら音楽を始めたくなる!心揺さぶるおすすめの音楽映画6選【邦画編】
映像と音楽が相乗し、登場人物の感情や物語の情景が抒情的に表現される音楽映画。
観客も自然と映画の世界へと惹き込まれ、没入感が味わえるのが音楽映画の魅力ですよね。
しかし音楽映画と一口に言っても、ミュージカルをはじめヒューマンドラマ、ロマンス、アニメーションなどそのジャンルは多岐に渡り、様々な作品が発表されています。
その中でも今回は、登場人物の演奏シーンが印象的な映画を6つ厳選。
音楽が好きな人もそうでない人も、思わず胸が熱くなるおすすめの邦画をご紹介いたします。
目次
スウィングガールズ(2004年)
『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督が送る青春ジャズコメディ。
敷居が高いジャズのイメージを覆す軽快な演出で、どなたでもジャズの魅力を存分に味わうことができます。
スウィングガールズのあらすじ|「ジャズやるべ!」田舎の女子高生たちがビッグバンドに挑戦する爽快なストーリー
東北地方の田舎町。ある夏休み、落ちこぼれ女子高生・鈴木友子(上野樹里)たちは、補講授業をサボる口実として、野球部の応援に行った吹奏楽部員たちに、弁当を届けることに。
しかし、彼女たちが届けた弁当が原因で、吹奏楽部員たちは食中毒となり病院に搬送されてしまう。
唯一被害を免れた吹奏楽部員・中村拓雄(平岡祐太)に強いられる形で、友子たちは責任を取って吹奏楽部のピンチヒッターを引き受けることとなった。
しかし吹奏楽をやるには人数が足りず、拓雄の提案でビッグバンドを結成。
初めはやる気のなかった友子たちであったが、練習を重ねるうちに、次第にジャズの魅力に目覚め、惹き込まれていく。
全員楽器初心者?特訓を重ねた迫力のあるパフォーマンスシーンに注目!
オーディションによって選ばれたメインキャスト5名(上野樹里、平岡祐太、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨)は、担当楽器の演奏経験が全くないところからスタートし、約3ヶ月間の猛特訓を経て演奏シーンの撮影に臨みました。
そんな映画のストーリーさながら楽器練習に奮闘する出演者によって、登場人物たちはよりリアリティを帯びて映し出されます。
劇中では『ムーンライト・セレナーデ』『シング・シング・シング』をはじめ、誰もが一度は聴いたことのあるスタンダードナンバーが生き生きと演奏され、ジャズに詳しくないという方でもビッグバンドの魅力に浸れること間違いなし。
音楽の素晴らしさを改めて感じさせてくれる映画です。
フィッシュストーリー(2009年)
巧みな伏線回収が魅力の伊坂幸太郎原作の映画。メガホンを取ったのは、同じく伊坂幸太郎原作『アヒルと鴨のコインロッカー』において高い演出力で話題を呼んだ、中村義洋監督。
最強タッグが送る驚きのどんでん返しに、最後まで目が離せません。
フィッシュストーリーのあらすじ|無名バンドの音楽が時空を超えて地球を救う!?
1975年、時代の先を行き過ぎた売れないパンクバンド”逆鱗”のメンバー4人(高良健吾、伊藤敦史、渋川清彦、大川内利充) は、解散前最後のレコーディングに臨んでいた。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに。」
そんな思いが込められた彼らの楽曲『FISH STORY』は、のちに気弱な青年・雅史(濱田岳)の元へと届き、巡り巡って2012年、彗星衝突による地球滅亡危機の命運を握ることとなる。
斉藤和義プロデュース。聴きごたえ抜群のメインテーマに注目!
時系列の異なる複数の短編が、ひとつの音楽によって時を超えてリンクしていくこちらの映画。物語の鍵を握るメインテーマ『FISH STORY』を、多彩な音楽スタイルで人気を誇るシンガーソングライター・斉藤和義が手掛けています。
小説の世界を飛び出してきた音楽は、まるで実在のパンクバンドの楽曲であるかのように映画の世界観に馴染んでおり、原作ファンの期待も裏切らない完成度です。
ストーリーの要となる”逆鱗”の荒々しくパワフルなレコーディングシーンに、ぜひご注目ください。
尚、斉藤和義本人による『FISH STORY』の演奏もYouTubeで視聴が可能です。
FISH STORY
ソラニン(2010年)
映画『ソラニン』予告編
浅野いにおによる同名人気漫画を原作とした青春恋愛映画。
今や恋愛映画の大家として知られる三木孝浩監督が、長編初監督にして大ヒットを記録した作品です。
ソラニンのあらすじ|主人公の葛藤と成長を描いた切なくも温かいストーリー
社会人2年目。窮屈な毎日に嫌気が差して会社を辞めた芽衣子(宮崎あおい)と、フリーターをしながらバンド活動を続ける種田(高良健吾)。二人は未来に不安を抱えながら、東京の片隅でだらだらと暮らしていた。
そんな中、芽衣子の一言がきっかけで、種田は諦めかけていた音楽の夢をもう一度追いかけ始める。
新曲『ソラニン』をレコーディングし売り込むが、思うように結果が出ず、二人の思いもすれ違っていき……。
ASIAN KUNG-FU GENERATION作曲のメインテーマ。魂の籠もった圧巻のライブシーンに注目!
原作には歌詞のみ登場するメインテーマ『ソラニン』の作曲を担当したのは、作者の浅野いにおとゆかりのあるバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATION。
ボーカル&ギターの後藤正文本人が「作品そのものの中に潜り込んだつもりで旋律を紡いだ」と語っているだけあり、物語の醸し出す雰囲気を見事に表現しつつ、作品をさらに盛り上げる1曲となっています。
映画の最大の見どころは、クライマックスのライブパフォーマンスシーン。
主役の芽衣子を演じた宮崎あおいは本作がギター初挑戦。『ソラニン』だけでなく、劇中ではフルで使われない曲も完璧にマスターし、その役者魂を見せています。
脇を固めるのは、人気バンド・サンボマスターのベーシストである近藤洋一と、演技に音楽にマルチな才能を持つ桐谷健太。
3人の心通う力強い演奏と芽衣子の真っ直ぐな歌声に、きっとあなたも勇気づけられるはずです。
あやしい彼女(2016年)
映画『あやしい彼女』予告篇
韓国の大ヒット映画『怪しい彼女』を、コメディ映画のスペシャリスト・水田伸生監督がリメイク。
老若男女が楽しめる、笑いあり、涙あり、音楽ありの人情コメディ。
あやしい彼女のあらすじ|異色のヒロインが第二の人生をエンジョイする奇想天外なストーリー
戦中生まれの下町育ちで、早くに夫を亡くし、女手ひとつで娘を育ててきた瀬山カツ(倍賞美津子)は、周囲から疎まれている頑固で毒舌なおばあちゃん。
キャリアウーマンの娘・幸恵(小林聡美)や、バンドマンの孫・翼(北村匠海)も、お節介なカツの言動に、内心うんざりしていた。
そんなある日、とうとう幸恵の不満が爆発し、言い合いになった挙句、カツは家を飛び出してしまう。
ひとり夜道を歩いていると、奇妙な写真館を発見。吸い寄せられるように入っていき、写真を1枚撮ってもらうと、なんと20歳の自分の姿(多部未華子)に若返っていた!
思い描いていたような人生を生きられなかったカツは、第二の青春を謳歌しようと、かつて夢見た歌手の道へと踏み出していく。
多部未華子のユーモラスな演技と心惹かれる歌声に注目!
キュートなルックスとは裏腹に、頑固で強気なおばあちゃんの内面を持つアンバランスなヒロインを演じたのは、確かな演技力で視聴者を圧倒する実力派女優・多部未華子。
おばあちゃんの姿を演じた倍賞美津子と二人一役で、癖のあるキャラクターを演じ上げています。
次々と繰り広げられるコミカルで愛らしい演技だけでなく、唯一無二の歌声にも注目。
坂本九の「見上げてごらん夜の星を」や美空ひばりの「真赤な太陽」など、日本を代表する名曲に加え、オリジナル曲の歌唱にも挑戦し、しっとりとした歌声からパワフルな歌声まで、その多彩な表現力を披露しています。
意地っ張りだけれど、どこかチャーミングな彼女の不思議な魅力に、誰もが惹きつけられることでしょう。
坂道のアポロン(2018年)
「坂道のアポロン」予告編
アニメ化もされた小玉ユキの同名人気漫画を、『ソラニン』に続き『アオハライド』『青空エール』など数々の漫画原作映画を手掛ける三木孝浩監督が実写映画化。
「友情×恋愛×音楽」が爽やかな演出で映し出される、青春恋愛映画です。
坂道のアポロンのあらすじ|ジャズを通して育まれる熱い絆の物語
東京で暮らしていた高校生の西見薫(知念侑李)は、父親を亡くし長崎の親戚の元へと引き取られたが、親戚からは煙たがられ、転校先にも馴染めずにいた。
そんな薫にとって唯一の心の拠り所は、大好きなピアノでクラシックを演奏すること。
ある日、音楽がきっかけで、クラス委員の迎律子(小松菜奈)と意気投合し、レコード店を営む彼女の家を訪れる。地下室に足を踏み入れると、そこで目の当たりにしたのは、悪名高い不良の川渕千太郎(中川大志)が、ドラムを演奏する姿であった。
衝撃を受けた薫は、その日を境にジャズに魅了され、千太郎とセッションで心を通わせるようになる。
やがて薫は、千太郎の幼馴染である律子に恋心を抱き始めるが、彼女は千太郎に思いを寄せていて……。
相反する二人が織り成すグルーブ。息ぴったりのセッションシーンに注目!
薫を演じた知念侑李はピアノ初挑戦。千太郎役の中川大志はドラムの経験はあったものの、ジャズドラムは初めてだったそう。
二人は10ヶ月に及ぶ猛特訓を重ねて撮影に挑み、劇中では見事な腕前を見せています。
特に文化祭でのパフォーマンスシーンは、実際に観衆の前で撮影したこともあってか、二人の気分の高揚や会場の空気感が、直接肌に伝わってくるような臨場感があります。
真面目で優等生の薫と周囲から恐れられている不良の千太郎。一見対照的なようで、それぞれの持つバックボーンや音楽に抱く熱い気持ちには通ずるものがあり、実は似たもの同士でもある二人。
そんな彼らが奏でる息ぴったりの青春ジャズを、ぜひ味わってみてください。
音楽(2019年)
71分全て手描き!アニメーション映画『音楽』予告編
人気漫画家・大橋裕之の『音楽と漫画』を原作とした、岩井澤健治監督によるアニメーション映画。
「ロトスコープ」と呼ばれる実写の映像をトレースする手法を用い、なんと7年以上もの歳月をかけて制作されました。アナログ制作にこだわり、4万枚を超える作画の全てが手描きという驚異の徹底ぶり。
CG制作が主流となった現代のアニメーション業界に、挑戦状を叩きつけた話題作です。
音楽のあらすじ|暇潰しでバンドを始める不良3人組のロック奇譚
楽器を触ったこともない不良高校生の研二(声:坂本慎太郎)は、偶然ベースを手に入れたことをきっかけに、友人の太田(声:前野朋哉)と朝倉(声:芹澤興人)を誘い、バンド“古武術”を結成。
ところが、校内には“古美術”という紛らわしい名前のバンドがあることを知り、彼らの演奏を聴きに行くことにした3人。
すると“古武術”と“古美術”は、互いの音楽を気に入り意気投合。“古美術”のメンバー・森田(声:平岩紙)からの誘いで、同じ音楽フェスに出演することになった彼らであったが……。
巧みに描かれる音楽的衝動。実際のフェスを元に制作されたクライマックスに注目!
主人公が劇的な音楽との出会いを果たすわけでもなく、一時的な退屈凌ぎで何となくバンドを始めるという、あまり映画らしくないシナリオ。
しかしそれがかえって、「初期衝動」という無垢な欲求の体裁を整えるためだけに、甚だしい理由や目的を求める必要があるのか、改めて考えさせてくれました。
映画の見どころは、終盤の音楽フェスのシーン。
このシーンをダイナミックに表現するために、なんと実際にステージを組んでライブを行い、その映像を元に制作を行ったそうです。
普段は穏やかな森田が形振り構わずギターを掻き鳴らし、無口でぶっきらぼうな研二が魂の赴くままに雄叫びを上げる姿は迫力満点。
研二のアフレコを担当した坂本慎太郎や、主題歌『ピーター・アイヴァース』を手掛けたドレスコーズをはじめ、数々のミュージシャンからのバックアップが光るロックファンには堪らない本作。
随所に見られる遊び心満載のパロディにもぜひ注目してみてください。
上記の映画が視聴できる動画配信サービス
主要動画配信サービスにおける、今回ご紹介した映画の配信状況をまとめましたので、ぜひご参考ください。
サービス別映画配信状況(2023年8月現在)
⚪︎…定額配信中
△…レンタルまたは購入
× …配信なし
prime video | Netflix | U-NEXT | Hulu | dTV | |
スウィングガールズ | × | × | × | × | × |
フィッシュストーリー | △ | × | ⚪︎ | × | × |
ソラニン | △ | × | × | × | ⚪︎ |
あやしい彼女 | ⚪︎ | × | ⚪︎ | ⚪︎ | △ |
坂道のアポロン | △ | × | × | × | ⚪︎ |
音楽 | △ | × | × | × | × |
残念ながら、『スウィングガールズ』は現在、動画配信サービスでは視聴することができません。
しかし、TSUTAYAやゲオなどのレンタルショップでは借りられるようなので、気になる方は、ぜひそちらをご検討ください。
まとめ
以上、登場人物の演奏シーンが印象的な映画を6つご紹介させていただきました。
それぞれタイプが異なりますが、どれも心を揺さぶる熱い個性を持った映画です。
ぜひあなたも素晴らしい映像と音楽の世界に浸り、ご自宅で特別なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
音楽活動のきっかけを探している方へ
バンドをやりたいけど、どうやって組めばいいかわからない…。
身近に誘える友人や知人がいない…。
音楽をやりたいのになかなかきっかけを掴めずにいる方は、メンバー募集掲示板をチェックしてみてください!
あなたを待っている仲間を見つけられるかもしれません。
音楽大学作曲コースを卒業。
在学中より音楽教室にて講師として勤務し、ピアノ・リトミック指導に加え、スペシャルニーズの生徒さんのサポート、教材開発などの経験を積む。
現在は作曲・編曲活動の傍ら、これまでの経験を生かし主に音楽や教育を題材にwebライターとしても活動中。
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