【ドラマーズレガシー】世界的ロックバンド Led Zeppelin ジョン・ボーナムのプレイ解説

みなさんはLed Zeppelinをご存じでしょうか?1968年にイギリスで結成されたブリテッシュハードロックバンドで、1969年にセルフタイトルアルバム「Led Zeppelin」のリリースから立て続けにヒット作を生み出し、現代も多くのアーティストに影響を与え続ける、ロック史に残る偉大なバンドの1つです。

今回は、そのリズム隊を支える一人として、力強くそして独創的なプレイで聞く人たちを今でも魅了し続ける、ロックドラム界の世界遺産「ボンゾ」こと「ジョンボーナム(本名ジョン・ヘンリー・ボーナム)」を紹介いたします。

「これぞボンゾ!」という衝撃的なプレイが光るおすすめ楽曲を、厳選してランキング形式で5つ紹介しますので、プレイ解説を含めてのレビューをお楽しみください。

Whole Lotta Love!!!

第5位 「Good Times Bad Times」~Led Zeppelin~より

前述したデビューアルバム「Led Zeppelin」のオープニングトラックであり、伝説の幕開けとなるファンキーなナンバー。

ボンゾの「さあ行くぞ!」という重厚感抜群のタム&スネア打ちから始まり「手と足何本あるの?」と度肝を抜くビート。

そこに乗っかるボーカル、ロバート・プラントの甘くハスキーな声が、たまらないかっこよさを醸し出す楽曲です。

プレイ解説

スドドスドドの嵐。

私はこの曲を別名でそう呼んでいます(かなり言いにくいです。)

ボンゾはのっけから常人を超えたドラミングを披露します。下記の楽譜のバスドラム部に注目してください。ここはAメロのドラム譜なのですが、怒涛の足技が盛り込まれているのがわかると思います。

特筆すべきなのはこれ「シングルペダル」のプレイなんです。それでこのバスドラ音の粒たちの良さを連続して出せる技術に加えて、右手のカウベルと左手のスネアのコンビネーションを涼しげ(イメージです)にやってのけられたら誰も文句は言えません。何もしていないのに「すいません」と言ってしまいそうです。

楽譜引用元:https://yujihb.hatenablog.com/

しかもエンディングではこのコンビネーションを「これでもか!」というほど繰り返していているので、それに圧倒されて楽曲が終了します。それがこの驚愕のフレーズ譜。ドラマーのみなさんはぜひ挑戦して悲鳴を上げていただきたいです(笑)。

楽譜引用元:https://yujihb.hatenablog.com/

第4位 「Dazed and Confused」~Led Zeppelin~より

別名「幻惑されて」。

ファーストアルバム4曲目の怪しげなイントロから始まり、途中で激しくなるドラマチックな曲展開が印象的な、初期ツェッペリンを代表するナンバー。ライブではギターのジミー・ペイジの、観客を大いに沸かすパフォーマンスが盛り込まれています。

プレイ解説

この楽曲の聴きどころは「ベースとの掛け合い」です。メンバーの中でライブ時のステージ上では一番自己主張の少ない(無いとっても過言ではない)ベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズの際立つベースラインと、会話するような表現力豊かなドラミングは、遊び心に溢れつつも静と動のメリハリをしっかりつけているので、6分半という長さでも飽きることなく聴くことができます。

個人的には間奏の盛り上がり部分(3:29~)が大好きで、右手がクラッシュシンバル、左手がスネア、足元はバスドラムを踏みっぱなしなラウドでスピーディな8ビートに、LUNASEAの名曲「STORM」をイメージします。現に真也さんはLUNASEAの活動再開時はボンゾをモチーフにした、「1タム2フロアのドラムセット」で叩いていました。あれにはかっこよさとボンゾの偉大さを感じました。

第3位 「Immigrant Song」~Led Zeppelin Ⅲ~より

【オリジナル音源】

【ライブ音源】

日本のテレビ番組でも度々耳にすることがある、ロバート・プラントの「アアア〜〜〜ア〜!」の甲高い声が特徴の迫力のあるナンバー。北欧神話を題材にしており、主人公が海を渡り新しい土地を発見する冒険を描いています。

この曲はドラマの挿入歌であったり、プロレスラーの入場曲だったり、最近では教育番組でも使われています。別名「移民の歌」

プレイ解説

この楽曲の聴きどころはドラマー目線で言えば「ドッドドパドッドのダイナミックなビート」タイトル通り「勇敢な移民達の行進」をイメージした力強いビートが、初めから終わりまでずっと続く気持ちよさ。ドラマーならこのビートを習得さえすれば、8割はコピー完了というお得感もあります。

楽譜引用元:https://yujihb.hatenablog.com/

全体的にストレートな楽曲に飽きが来ないアレンジを演出しているのは、やはり「いぶし銀・ジョン・ポール・ジョーンズ」彼の縦横無尽なベースラインは、馬車馬に乗っているのに全然揺れない超低反発シート(そんなのはありません)のように「身近でエキサイティング」な旋律です。そうです。私、ジョン・ポール・ジョーンズが好きなんです。

番外編 「Moby Dick」

【オリジナル音源】

【ライブ音源】

アメリカの小説家「ハーマン・メルヴィル」の代表作「モビーディック」にちなんで作られたボンゾの全てが詰まったドラムソロナンバー。ドラマーとして一度は聴いておきたいです。

おすすめはライブバージョンです。スネアの抜けがハンパない!

プレイ解説

ライブバージョンを元に解説しますが、この楽曲の聴きどころは全てです。動画と共に視聴してボンゾのフォームから表情・佇まいの全てを観て欲しいです。というか惹き込まれることは間違い無いでしょう。

ボンゾのドラムのルーツはジーン・クルーパやバディ・リッチなどのビッグバンドで活躍したジャズドラマーなので「モビーディック」でもスネアドラムを中心としたフレーズ展開が多く見られます。

ただ、それだけで収まらないのが「ボンゾ」ジャズ以外の音楽にも幅広く精通していた彼ならではのエッセンスが、ドラムソロのなかにふんだんに盛り込まれています。パーカッションを織り交ぜた「力強いハンドドラム」「確実に足3本あるでしょ?のバスドラムワーク」

彼の個性すべてが詰め込まれた壮大な物語をぜひ聴いてください。

動画の少し面白いところが「Moby Dick」のイントロ部分。ロバート・プラントは「ジョン・ヘンリー・ボーナム!Moby Dick!」のアナウンス後、楽器隊を残し早々とステージから去り演奏が進むのですが、「メインはボンゾに譲らん」と言わんばかりにギターのジミー・ペイジがグイグイ前に出て来ています。笑

彼は生粋のフロントマンなんでしょうね。

第2位 「Rock And Roll」~Led Zeppelin Ⅳ~より

【オリジナル音源】

【ライブ音源】

スネアとハイハットシンバルのシンコペーションで浮遊感漂うイメージから始まり、「これぞロック!」と言わんばかりのギターリフでテンションを最高潮にし、一気に駆け抜けるスピード感溢れるロックンロールナンバー。

プレイ解説

おすすめはライブ音源です。

「Rock And Roll」は映像が沢山ありますが、ドラマー目線で見るのであれば上記一択です。理由は「ボンゾの手元」がはっきり見えるからです。ドラム譜面を掲載出来ないのが残念なのですが、「Rock And Roll」のメインビートは、単なる8ビートではありません。

通常の8ビートの手元は「ツツタツ・ツツタツ」と2拍目・4泊目にスネアが入るので、左手は右手に比べて余裕がある状態なのですが、一筋縄ではいかないのがボンゾ流(マジでかっこいい!)左手も常に右手と同じボースハンド(※1)でスネアを叩いています。しかも2拍4拍でアクセント。

※1:「Both(ボース)」は「同時」とういう意味でここではスネアとハイハットを同じタイミングで同時に叩くという意味です。

動画で見ると非常に涼しげ(まるでトイレで用を足しているかのよう笑)にこの難関ビートを叩いています。

一番の聴きどころはエンディングのショートドラムソロ。まるで大砲を連続で放っているかのようなタムの重低音(ミュート具合も最高!)をスネアとバスドラムを絡めて「まだやるの!?もうやめて!!」と言ってしまいそうなくらい連打!連打!そしてちょうど良いボリュームで締め。インパクトとメリハリのバランスが非常に心地よく、申し分のない構成。神ですね。神。

この動画はボンゾが亡くなる1年前の映像で、演奏が熟練していて初期に比べて安定感が全然違うので、ロバートとジミーのステージ上での縦横無尽さがより楽曲を際立たせているのを感じます。

ちなみにTHE YELLOW MONNKEYの吉井和哉さん(大好き!)はロバートの影響をかなり受けているそうなので、そんな視点で見てみるのも面白いですよ。

第1位 「Achilles Last Stand」~ Presence~より

【オリジナル音源】

【ライブ音源】

幻想的なギターのアルペジオから始まり、タイトなスネアの合図で繰り広げられるエネルギッシュで壮大な楽曲。収録時間10分31秒というツェッペリン史上でも上位を争う長さでありながら、その世界観に引き込まれてしまい、いつの間にか時間を忘れて聴き入ってしまいます。

モチーフはタイトル通り、ギリシア神話の英雄「アキレス」の物語に触発されたもので、歌詞の中でアキレスの最後の戦いが描かれています。

プレイ解説

・・・この楽曲は・・・ティッシュを用意して・・・イヤフォンをして・・・ぜひ、ライブ音源をボリュームフルマックスで・・・誰にも邪魔されない場所で聴いてください。私はこの記事を泣きながら作成しています。

涙の立役者は「ボンゾ」と言いたいところなのですが、今回は「ジミー・ペイジ」に譲ります。彼の卓越したギターテクニックは誰もが認めるものであり、ライブでもその技術を遺憾無く発揮しています。しかし今回注目していただきたいのは「表情」です。

この楽曲を全身全霊をかけて演奏するジミーの表情には鬼気迫るものがありますが、時折音を楽しむ少年のようなあどけなさも垣間見せたりして、音楽の本質を教えてくれる感覚を覚えました。伝説的バンドというのは世代を超えた説得力があるのですね。

・・・少し落ち着きましたので、聴きどころの解説をさせていただきます(笑)

この楽曲は基本的に8ビートで演奏されています。が、随所に入るスネアの裏打ちや豊富なバスドラムのバリエーションで楽曲のテーマである「戦い」を的確に表現していることと、曲調にフィットしたスピード感とスネアの抜けの良さがさらにスリリング感を演出しています。

そして、ここでもやはりジョン・ポール・ジョーンズ。ステージ上では定位置を変えずに小刻みに体を揺らしながらその他メンバーとは少し距離を置いたプレイスタイル、しかし、それとは相反する躍動感あふれるベースラインはこの楽曲でも健在!まさに屋台骨ブラボー!!

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は独断と偏見でオススメ楽曲5選をお届けしましたが、ボンゾの魅力はバンドサウンドとして成立した時に十二分に発揮されているのがお分かりいただけたことと思います。ぜひその他の楽曲も聴いていただき、伝説のサウンドを体験していただきたいです。

それでは!

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