【初心者必見】オススメのアンビエントミュージック10選

みなさんはアンビエントミュージックという音楽ジャンルをご存知でしょうか?

アンビエントミュージックとは、1970年代ごろに台頭した静かでやすらぎのある音楽です。日本では「環境音楽」と呼ばれることもあり、1970年代末から80年代末かけて注目されていました。

アンビエントミュージックはその名のとおり、「周囲の環境に溶け込んだ、作曲家の意図を主張することなく、それでいて意図的に聴かれることがない」音楽であることが特徴です。

そんなアンビエントミュージックは、90年代以降、長らく注目されてきませんでしたが、2020年のグラミー賞に日本人によるアンビエントミュージックのコンピレーション作品がノミネートされたことにより、再びその盛り上がりをみせようとしています。

今回はそんなアンビエントミュージックにフォーカスし、「興味あるけど何を聴いたらわからない」、「どんな作品があるのか知りたい」という方に向けてオススメの作品10選をご紹介していきます。

アンビエントの概念を生んだ名盤

『Ambient 1: Music for Airports』 Brian Eno

『Ambient 1: Music for Airports』 Brian Eno

アンビエントミュージックの第一人者である作曲家ブライアン・イーノが1978年にはリリースした作品です。『Ambient 1:~』のタイトル通り、イーノ自身が初めてアンビエントミュージックとして発表したアルバムであり、空港で人々がリラックスして飛行を待つことができる空間を作り出すために制作されました。

青い空の中に浮かぶひとすじの飛行機雲のように伸びやかに広がる音響、そして水面の揺らぎを感じさせるピアノの音が、聞く人の周囲を穏やか包み込んでくれるようなアンビエントミュージックの代表的な作品です。

『The Pavilion Of Dreams』 Harold Budd

『The Pavilion Of Dreams』 Harold Budd

ブライアン・イーノと並ぶアンビエントの巨匠、ハロルド・バットによる本作はアコースティック楽器によって構成されたアンビエントミュージックです。

現代音楽、実験音楽、ジャズと様々なジャンルを学んできたバットだからこそ表現できるミニマルミュージックと室内楽、そしてジャズが交わったアンビエントを聴くことができます。

幻想を漂っているような不思議なムードの中で、聴く人にやすらかな癒しを与えてくれる音の風景。そんな、どこまでも、どこまでも覚めない夢の世界へといざなってくれる極上の一枚となること間違いなしです。

日本のアンビエントミュージックを創った作品

『Music For Nine Post Cards』 吉村 弘

Music For Nine Post Cards』 吉村 弘

日本の環境音楽家である吉村弘によって1982年に手掛けられた本作は9枚のポストカードをもとに制作されたアンビエントミュージックです。

エレクトリック・ピアノやキーボードなどの最小限に抑えられた音色が、断片的に折り重なることで温かいながらも郷愁あふれる作品となっています。

シンプルであるがゆえに美しく、切なく音の風景を紡いでいく日本アンビエントミュージックの名盤です。

『Still Way』 芦川 聡

『Still Way』 芦川 聡

1983年に30歳という若さで亡くなった芦川聡よる唯一の音楽作品、それが『Still Way』です。芦川は自身の作品について「静止した瞬間を列ねたような音楽」と表現しており、実際にアルバムを聴いてみると、白い風景の中に一滴の雫が水面に落ちていき、波紋が広がっていくような静寂と無限の広がりを感じさせてくれる作品となっています。

吉村弘と同様、日本アンビエントミュージックの黎明期を代表するマスターピースです。

『DANZINDAN-POJIDON』 INOYAMALAND

『DANZINDAN-POJIDON』 INOYAMALAND

元ヒカシューのメンバー山下康と井上誠のアンビエントデュオINOYAMALAND(イノヤマランド)による1983年の作品。本作はYMOの細野晴臣がプロデュースしています。

楽曲制作には「ウォーター・ディレイ・システム」と言う水を張った水槽の中にマイクとスピーカーを取り付けて録音する手法が採用されており、美しく透明な音響を実現しています。

収録曲から連想される音景は、まるで水中に山や青空が広がる世界であり、ほかの作曲家では表現できない風景を感じることができるでしょう。

派生ジャンルへ進化するアンビエントミュージック

『Voices』 Vangelis

『Voices』 Vangelis

映画『ブレードランナー』のサウンドトラックを手がけたことで有名なギリシャの作曲家ヴァンゲリスによる1996年のアルバム。幻想的なボーカルと電子によるシンフォニックな音響が堪能することができる本作は、静謐な雰囲気に包まれたアンビエント、ニューエイジな作品です。

「Voices』のタイトルにある通り、「人々の声」が効果的に取り入れらており、リラックスして聴き入ることができます。

『Milano』 竹村延和

『Milano』 竹村延和

「こども」という言葉で表現されるイノセントなものへの憧憬をテーマとした竹村延和による1999年の作品『Milano』。本作はイタリアのミラノで行われた三宅一生のファッションショーのために制作された音楽が収録されています。

金管楽器や木管楽器、チェロ、コントラバスといったアコースティックな音を中心に奏でる牧歌的な雰囲気が特徴です。

ミニマルミュージックや室内楽の趣が強い本作ですが、周囲の環境に溶け込んでいく音楽という点では紛れもないアンビエントミュージックだと言えるでしょう。

『January』 Taylor Deupree

『January』 Taylor Deupree

アメリカのアンビエント/エレクトロニカの名門レーベル「12K」を主宰するテイラー・デュプリによる音楽作品です。本作は2003年に行った来日ツアーの間に制作されており、デュプリーの息子であるニコラスに捧げられたとても私的な作品となっています。

楽曲の特徴としては、イーノや吉村弘などに代表されるような「正にアンビエントミュージック」というわけではなく、どちらかと言うとアンビエントの香りをまとったエレクトロニカのような雰囲気となっています。

ただ、そのアンビエントとエレクトロニカを往還する音像は、どこか都市の空気感を感じさせるアンビエントミュージックだと言えるでしょう。まだ、誰も活動していない早朝の凍てついた街にぴったりのアルバムです。

現行のアンビエントミュージック

『Raum』 H.Takahashi

『Raum』 H.Takahashi

2017年にイギリスの実験音楽レーベル「Where to now?」からリリースされた作品。日本のアンビエントミュージックの継承者にふさわしいH.Takahashiによる本作は、宇宙空間にぷかぷかと浮かんでいるような不思議なまどろみを感じさせる音楽となっています。

驚くことにH.Takahashiはこれまでリリースしたほとんどの楽曲をiPadのみで制作しており、iOSのソフトシンセで作り出された柔らかい音像が、日々の疲れを癒し、ゆっくりと深い眠りにつかせてくれます。眠る前に聴くと快眠できること間違いなしのオススメの作品です。

『Climatotherapy』 Nozomu Matsumoto

『Climatotherapy』 Nozomu Matsumoto

バーチャル聴覚室EBM(T)の主宰者であり作曲家、プロデューサーとしても活躍されているNozomu Matsumotoによる2018年発のデビュー作。

本作はクラシカルな音響と人工知能による音声が融合した、美しく幻想的な作品となっており、その根底には「音声、またそれが発される母体を探ること」と言う哲学的なテーマをもとに制作されています。サウンドアーティストとして、美術館やギャラリーの音楽を担当していたキャリアもあり、実験的なアンビエントを聴くことができます。

おわりに

今回はオススメのアンビエントミュージック10選をご紹介しました。

初期アンビエントの名作から現行の作曲家がつくるアンビエントまで幅広くご案内しましたが、アンビエントにはほかにもたくさんのアーティストや派生ジャンルがあります。

ご紹介した作品を参考にみなさんも自分にぴったりの一枚を探してみてくださいね。

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