【超個性の集合体】メジャーデビュー30周年 LUNA SEAの衝撃
1989年・・・5月29日。町田プレイハウスにて初ライブを行った「真矢・J・INORAN・ SUGIZO・RYUICHI」の5人は、全員で音を出した瞬間に「これだ」という感触を得た。
そこから30余年。今もなお、あの時の衝撃を止めることが出来ないかのように勢力的に活動を行っている、日本のVロックシーンの伝説。いや、日本のロックシーンに数々の爪痕を残し続ける生けるレジェンド。
「LUNA SEA」
今回はそんな実力・人気・影響力の高さを維持し続ける唯一無二、超個性の集合体の魅力を、文字の続く限りご紹介いたします。
筆者独断で悩みに悩んで厳選したおすすめ楽曲5選をどうぞ!
正直・・・5曲じゃ語り尽くせません・・・
それでは!「I WISH!」
目次
第5位 IN FUTURE
In Future
1994年に発売された4枚目のアルバム「MOTHER」に収録された、張り詰めた極度の緊張感を終始感じるハイスピードナンバー。
SUGIZOのエッジの効いたギターリフから始まり、RYUICHIの「IRRITATED NIGHT!」の声で楽器隊全てが加わり、スリリングなシンコペーション風リズムで混沌を的確に表現しています。
発表されて以来30年近くになるこの楽曲ですが、今もなおライブでは演奏されていて、その時々でのアレンジが当初のスケールを大幅にアップさせた内容となっていて、観客を大いに沸かせています。それがこちらです。
LUNA SEA「IN FUTURE」2022.08.27 復活祭 -A NEW VOICE- Day2 “Naked Voice”
聴きどころは、このライブバージョンについて語らせてください。
武道館でのIN FUTUREは、SUGIZOの高々と上げられた指先に注目が集まり、真矢のハイテンションなフォーカウントからイントロのリフが始まり、RYUICHIの掛け声で楽曲が始まります。やはりライブですと、スネアがカンカンに抜けていて楽曲のスリリングさがより増している感覚を覚えて、思わずため息が出てしまいます。
カッコよすぎ・・・
この映像には見どころがたくさんありますが、その中でも特に印象に残る場面を1つ紹介します。
それは間奏です。
SUGIZOがギターソロを弾き終わったあとイントロのリフに戻ったかと思いきや、突然のブレイク。
真矢は気づかず演奏を1小節継続。
どうやら SUGIZOドッキリが始まったようで、メンバー全員にキスをしていきます。
突如の展開に笑い合うメンバー。
この5人での共演を、心底楽しむかのようなほのぼのとした雰囲気が、結成30年の余裕と強い連帯感を感じさせる場面でした。
そして楽曲が再開されるときも、抜群のコンビネーションで違和感なくスリリングモード。
ライブでこそ本領を発揮する最強の5人であると、改めて感じる瞬間でした。
そして随所に聴かれるツーバスの高速連打も圧巻です。
第4位 1999
LUNA SEA – 「1999」MV
1996年4月22日に発売された5thアルバム「STYLE」に収録されている、世紀末に予言された滅びの未来を表現した楽曲。
わずか2分28秒と短い時間の中でも、その短さを微塵にも感じさせない「濃さ」があります。
聴きどころ
1999の聴きどころはズバリ「ベース」です。
Jのブインブインなベースラインがはっきり聴こえることで、楽曲の大きなうねりが加わっています。
いつの間にかベースラインに聴き入ってしまって口ずさんでしまうほどの引力を感じるベースライン。。。
癖になってしまいます。
ファンの方ならご存じの仕掛けかと思いますが、発見してしまったので書かせていただきます。
1999のエンディングでは女性が英語で「愛する強さ」について語ります。
次第に演奏が終了して、女性の声のみとなり楽曲の終わりを迎えますが、歌詞を確認してみると、最後に「I need you」の文字が。。。アルバム内での次の曲は「END OF SORROW」この繋がりにゾクゾクします。
第3位 a vision
LUNA SEA – 「a vision」MV
動画なし・・・
2000年7月22日に発売された7thアルバム「LUNACY」に収録された、コアなナンバー。
SUGIZOのジャカジャカと、弦を掻きむしるかのようなイントロのリフから、真矢の爆弾を投下したかのようなタムの爆音で始まるこの楽曲は、誰がなんと言おうと主役は彼です。
聴きどころ
この楽曲の聴きどころ、それは間違いなく真矢です。
忘れもしない、このアルバムが発売されたと同時に真矢がドラムセットをモデルチェンジした記憶を昨日のことの様に思い出します。
彼のドラムセットは、バンドが再始動をした時と同時にそれまでのトレードマークであった「ツーバス+多点タムのゴージャスセット」から、古き良きハードロックテイストを前面に出した「ワンバス+ワンタム+ツーフロアの王道セット」に変更されました。
その時点での使用メーカーは、「ドラムセットはラデック。シンバルはパイステ」のボンゾスタイルで展開していましたが、そこから「ドラムセットはパール。シンバルはセイビアン」のラインナップへ変更すると同時に、真矢らしい和のテイストを表現した、「真紅な下地に黄金の蝶」のデザインが、ドラムシェル(ドラムの胴の部分)の随所に散りばめられていました。
しかも、シグネイチャースティックも同様に!もちろんスティックを買って彼になりきり、「a vision」を叩いたころが非常に懐かしいです。。。
そんな新調したドラムセットを駆使したこの楽曲ではAメロと間奏でのドラムのみのビートで「ならでは」の演奏を聞くことができます。
※作:筆者。細かいニュアンスは省いております。
ご紹介した譜面は、Aメロと間奏(ドラムのみとベースが加わる部分)の基本パターンです。
×が4分音符のハイハットシンバル・同方向のおたまじゃくしがスネア・反対向きがバスドラムを表しているのですが、2小節3拍目の8分部分に◯をしたスネアのアクセントが全てと言っていい位の味を出しています。
感覚は人それぞれなのですが、私にとってこのスネアのアクセントは「ここでスネア?」という違和感を感じていて、ドラマーの心理としてはシンバルの様な余韻を残している表現に感じます。これに一度気づいたらこの違和感の虜になっていました。
日本のドラムシーンに多大な影響を与えている、真矢ならではの衝撃フレーズを体感できる瞬間です。
第2位 TURE BLUE
LUNA SEA – 「TRUE BLUE」MV
1994年9月21日に発売された4thシングル。バンド初のオリコンシングルチャート1位を、デビュー時から貫き通したノンタイアップで獲得した楽曲で、LUNA SEAの認知度をさらに全国に知らしめた代表曲。
この楽曲は忘れもしない。中学校時代の給食の時間に「ROSIER」と共に流れた瞬間に、電撃が走った様な感覚が私を襲いました。
真矢のフォーカウントからのキレの良すぎるイントロは、2023年になった今でも超えるものを聴いたことがありません。
聴きどころ
TRUE BLUEの聴きどころは「歌」です。
イントロの衝撃から始まるRYUICHIの甘く妖しい歌声は、この楽曲では流れる様に歌うのが特徴的です。
一聴してシンプルな歌い回しかと思いきや、所々でニクいビブラートがあったり、感情的な高音パートがあったりとカラオケでは歌いごたえがあります。
私ですか?今でも十八番です(笑)
全体を通してとてもコンパクトにまとまったシンプルな印象を持つ楽曲ですが、まさしくシンプルイズベストを体現しているところがLUNA SEAの実力を証明しています。
番外編 ドラムソロ
LUNA SEAのライブでは幾度となく名演のドラムソロを披露している、名実ともに日本を代表するドラマーである「真矢」。
そんな彼のベストオブベストをご紹介いたします。
筆者が選ぶ「真矢のドラムソロ、ベストオブベスト」それは1996年12月23日、横浜スタジオで開催された伝説のライブ「真冬の野外」にて披露されたドラムソロです。
ちなみにこのライブでは真冬の極寒の中、4万人を動員しています。
彼のドラムソロは、ツーバス&多点タムを駆使した一心不乱で縦横無尽なフレーズの嵐を、激しく妖艶に和の雰囲気を匂わせながら演奏するスタイルが基本で、今回はドラム界では世界初の「空中回転ドラムソロ」を披露することになるのです。
回転用の設備にセットされた、お馴染みの巨大な要塞セットに座った真矢は、両肩から固定用のベルトをつけた状態でバックで流れる音楽に合わせてビートを刻んでいきます。
するとそれに合わせてセットが上昇。
そして一度ブレイクを挟んだ瞬間、セットは約90度前傾に傾き、真矢は真冬の野外に集まった4万人から大歓声を浴びながら笑っています。
そしてこれもお馴染みの「真矢コール」を何度か煽ると、ツーバスの高速連打と共にドラムセットが回転するのです!
前に2回転。後ろの2回転。
実は本人談では、この回転しながらドラムを叩くという行為は身体的にとてもキツイとのこと。
頭の血管が切れる可能性があると言われながらも強行して行ったドラムソロが成功して本当に良かったです。
そして今度は横回転も披露!
ひとしきり回りきったあとは元に戻り、最後の「真矢コール」それから真矢は観客に向かって「ここは気温は寒いけど、俺は世界一温かい場所だと思っている」とあつーい一言でしめてドラムソロが終わるのです。
こちらは映像を掲載出来ないのが残念です。市販のDVDを購入していただき、真矢のドラムテクニックだけでなく、アイデア、カリスマ性、そして漢気をぜひ堪能してください!
第1位 闇火
LUNA SEA – 「Yamibi」MV
2017年12月20日に発売された9thアルバム「LUV」に収録されている、INORANの切ないアルペジオから始まり、その雰囲気を保ちつつも激情の嵐を表現するという壮大なスケールを感じる名曲。
ライブではSUGIZOの美しいバイオリンの旋律を奏でる姿と、ギターを掻きむしっている姿のギャップに、表現者としての完成度を感じます。
この楽曲はボーカル・ギター・ベース・ドラムの、どれをとっても最高のプレイを聴く事ができます。その上でライブバージョンがかなり秀逸です。
LUNA SEA 闇火 (中日字幕)
聴きどころ
今回もライブバージョンの聴きどころ紹介になりますが、オリジナル音源との違いは、ボーカルのメロディラインです。
ライブ音源ではRYUICHIのハイトーンボイスが十分に堪能できると同時に、感情表現の豊かさというか「激しさ」に心臓を鷲掴みにされてしまいます。
それに合わせてその他4人のメンバー全員も、それぞれの感情を自らが演奏する楽器で、体で、表情で!表していて、映像から目を離せません。
そんな中で一番観入ってしまったのがINORANです。
彼は2回目のサビの最初の歌い回しが終わり、次が始まると感極まったのか、それまでうちに潜めていた感情が堰を切ったかの様に、切なさや悲しみを含んだ苦しげな表情で、ギターを弾きながら歌い始めます。
それと同時に楽曲自体もクライマックスを迎える雰囲気に変わって行き、メンバー全員の「激情」を感じながらサビが終わり、イントロのアルペジオに戻り終焉を迎えます。
1つの映画を観るような、起承転結。
こんなドラマチックでダイナミックな完成度の高い楽曲を、ライブで披露できるのはLUNA SEA以外にはいません。
いかがだったでしょうか?
30年という長い歴史の中で私がLUNA SEAと関わったタイミングで、印象に残った楽曲を5曲紹介させていただきました。
みなさんにもそれぞれ思いがあると思いますので、ぜひLUNA SEA談義で盛り上がるサカナにしていただければと思います。
それでは!
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